
宮下明子『光陰』
四六判・上製・224頁
定価2300円+税
ISBN978-4-911281-02-4 C0095
さまざまな人との出会い、忘れがたい思い出──。美の高みにあるものにあこがれて学びつつ、人生の光と陰を生きてきた書家の、小説集・随筆集。
《季節に四季があるように、人とのかかわりも春夏秋冬とうつりゆき、過ぎてみればどんな景色も無駄ごとではなく、彩りはいろいろであって、光も陰も美しいのだと私は思っていました》(「光陰」より)
《朝日が輝いている。空気は引き締まっている。見慣れて懐かしい八ヶ岳の峯々が、凛として長い裾野を引き雪を頂いている。胸が熱くなって目が霞んだ。私は、山々に囲まれた深々としたこの信州に育てられたのだった》(「赤いセーター」より)
《諏訪大社秋宮の下で、菓子製造販売業「不二屋」を営む父……》(「父のおくりもの」より)
*不二屋の屋号は、中村不折の書。包装紙を描いたのは、棟方志功。
*中村汀女は、不二屋のために「朝時雨初霜遠くしのぶのみ」と詠んだ。
目次
Ⅰ 小説集 光陰
白椿/光陰/不昧の手紙/短夜/声/ひぐらし
Ⅱ 随筆集 円居
円居/朝あけ/紅白芙蓉図/知足/祖母の手織布/兄の思い出/父のおくりもの/父の思い出/「中村屋」のこと/幸福/濱さん/罌粟/私の二十歳/遅い目覚め/閑日/吉岡幸雄先生の思い出
Ⅲ 随筆集 蓼科
蓼科の立春/蓼科の初夏/八月の蓼科/辻󠄀さん/蓼科の樹/茸狩り/蓼科の冬/神仙/赤いセーター
Ⅳ サロン作楽 桜・菊・茶
桜と日本人/菊と日本人/岡倉天心『茶の本』に学ぶ
作品選
あとがき
宮下明子(みやした・あきこ)
1942年、長野県生まれ。書家。号は明珠。
明珠会主宰。サロン作楽主宰。
日本の書展フランス展(リヨン展・パリ展)出品。
日本の女流展(香港展・東京展)出品。
日経アートギャラリー、銀座 鳩居堂にて個展を開催。